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Chapter 12

登場人物

  • Yoseb Baek
    • 大阪に住む Isak の兄
    • 韓国人だが日本人のように振る舞って暮らしている
    • ビスケット工場で監督の仕事をしている
  • Kyunghee
    • ヨセブの妻
    • 美人で朗らか
    • 漢字なら「慶熙」?
  • Samoel Baek
    • Yoseb の兄
    • 活動家で他界済
  • Hansu

回想

  • Fatso

場所

  • 大阪
    • 大阪駅
    • 猪飼野 (いかいの) : 韓国人街 ← いまでいう生野区、鶴橋辺りの話だと思う

概要

  • Sunja が Isak と一緒に、大阪に住む兄 Yoseb を訪れる
  • 1933 当時の韓国人の生活(差別を含む)が書かれている
    • 年表的には 満洲事変後、第二次世界大戦前ということか
    • 狭さ、衛生状態、子供の様子、家で家畜を飼うなど、情景が思い浮かべやすく書かれている

単語

単語意味
pase aboutうろうろ歩き回る、行ったり来たりする
man in a cell牢屋の男。囚人
shoot the breeze世間話をする、雑談する
easy talker話しやすい人、口がうまい人
proficient熟達した、堪能な
wily tribeずる賢い部族
wilyずる賢い
principled信念のある、道義的な、一貫した
guarded慎重な、警戒心のある
sentry歩哨、見張り兵
restlessness落ち着きのなさ、不安感
give him away(正体を)暴露する
rubbishごみ、くだらないこと
ここでは「たわごと」とか「ナンセンス」が適切か
ape anyoneだれかを真似る
ape真似る
finery華美な衣装
foreman監督、職長
neatきちんとした
feastごちそう、祝宴
tag alongついて行く、お供する
take aback驚かせる、不意をつく
abundant豊富な
lacquer漆、漆塗り(ラッカーってそうだったのか)
jujube trayナツメを載せるお盆(そのまんまだった)
sizableかなり大きな
excessive過度の
tenderhearted優しい心を持つ
to a fault行き過ぎるほどに
disperse散らす、分散させる
trilbyトリルビー帽(中折れ帽の一種)
cocked on(帽子などを)斜めにかぶる
radial lines放射状の線 (ここでは目の端のシワ)
uncanny不気味な、異様な
hung slackだらんと垂れ下がった
drawn frame緊張でこわばった顔つき
gaunt body痩せこけた体
depleted使い果たされた、衰弱した
gratify満足させる、喜ばせる
have his kin so near肉親がこんなに近くにいること
kin肉親
stubble無精髭
face brush洗顔用/髭剃り用のブラシ
marvel驚く
disrespectful失礼な、無礼な
splatピチャっと飛び散る音
失神したフリして倒れたときの音に使っているが、太っちょだからウェッティな音にしたんだろうか
sea bassスズキ
generosity寛大さ、気前の良さ
protrude突き出る、飛び出る(ここではお腹が)
adore敬愛する、熱愛する
passersby通行人
teem with.. であふれる
hordes群衆、大群
dart素早く動く
trolley路面電車、トロリー
behemoth巨大なもの、旧約聖書に出てくる怪物
punyひ弱な、ちっぽけな
outpace.. をしのぐ、追い越す
let on打ち明ける
uniformed ticket collectors制服を着た切符回収係
kerosene stove灯油ストーブ
seedling
upright直立した
uproot故郷から引き離す、根を引き抜く
deposit預ける
lingering scent残り香(ここでは手荷物に残った故郷の匂い)
dated古めかしい
fustyカビ臭い
swoon気絶する、うっとりする
embroidery刺繍
ghetto(都市の中の)少数民族居住区
stench悪臭
outhouse屋外のトイレ
misbegotten出自の悪い、不快な、間違った
of sortsいわば、一種の
comprise.. からなる
shack掘っ立て小屋、バラック
※ バラックはもともと兵舎(英語)だが、日本では災害後の仮設住宅や、粗末な小屋のことで定着
flimsy薄っぺらな、もろい
a stoop玄関前の階段つきポーチ
matted絡みついた、絡まった (ここでは水分で固まった新聞紙の話)
tar paper防水用にアスファルトを染み込ませた紙
wooden shims木のくさび
shimくさび
disrepair荒廃、修理されていない状態
sturdy頑丈な、しっかりした
makeshift間に合わせの、その場しのぎの
ragボロ布
play tag鬼ごっこをする
defecate排便する
pitched roof勾配のある屋根
corrugated波型の、ギザギザの
corrugated steelトタン
pailバケツ
playfullyふざけて
persimmon
complexion顔色、肌の調子
white peonies白いボタンの花
appealing魅力的な
vibrant活気のある、鮮やかな
wispy細くて弱々しい
brass teaketttle真鍮のやかん
terra-cotta陶器の素焼き(赤褐色、レンガ)
nagガミガミ言う
shaky hands震える手
belied偽って見せる
(ここでは盗難を避けるため、外観をみすぼらしくしていたということ)
six-mat house6畳の家
unheard-of前代未聞の、ありえない
enclave集住地
absurdlyばかばかしいほど、非常に
wary用心深い、警戒して
deceitfulness欺瞞、嘘つきであること
plead嘆願する
hand things out配る、分配する
keep back取っておく、控える
mingle with混じり合う
heartbreak心痛、胸が張り裂けるような悲しみ
suffering苦しみ、辛さ
privation生活必需品の欠乏、困窮、欠乏生活
washtubs洗濯桶
workbench作業台(大工・職人が使う台)
devotion献身、愛情を注ぐこと
take root根付く
a pot lid鍋のフタ

英文

He was a Korean, after all, and no matter how appealing his personality, unfortunately he belonged to a cunninng and wily tribe.
There were many Japanese who were fair-minded and principled, but around foreigners they tended to be guarded.
The smart ones, especially, you have to watch out for those -- Koreans are natural troublemakers.
After living in japan for over a decade, Yoseb had heard it all.

「当時の韓国人に対する偏見はこのようだった」ということを淡々と書いている。

他の箇所でも「同じ韓国人同士でも実際に素行の悪い人間もいる」といったことも書かれている。

こういった記載が、冷静に公平に書かれているように思う。この本の貴重なところだと思う。

The police didn't know he was as Korean, because Yoseb's manner and dress wouldn't have given him away.

「ヨセブの振る舞いや格好が、彼の正体を隠しおおせていたからだ。」といった訳になると思うが、
それが「 not give him away 」となるのは、ちょっと慣れないとスッと入ってこないな。

この1文では完結せず、「彼は韓国人で、日本人のように振る舞っていた」という前提がないと成り立たないのも、直感的に感じられない理由のひとつか。

She would have uprooted herself to have seen the world with him, and now she was seeing it without him.

Hansu から話には聞いていた大阪に来ているわけだが、
「Hansu と故郷を捨てて来た」ではなく 「彼なしで (Isak と) 来ている」ということを言っている感じか。

They owned a six-mat house with three rooms for just the two of them,
which was unheard-of in this crowded Korean enclave where ten could sleep in a two-mat room

2畳に10人はさすがに何かの間違いとは思うが

If people think we have extra, our house will be robbed.
We don't have a lot, Isak. We have to be very careful, too.
Once you start giving, it will never stop.
Some people here drink and gamble; the mothers are desperate when the money runs out.
I don't blame them, but we must take care of our parents and Kyunghee's parents first.
..
I gave food to the neighbors when I first got here, and soon they were asking us every day,
and I was giving away our dinners, and they didn't understand when I had to keep back some food for your brother's lunch the next day;
then one day, they broke into our house and took our last bag of potatoes.

Isak が人に親切なので Yoseb と Kyunghee が 猪飼野で住む注意点を説明しているところ。
周りを悪人と否定する訳でもないが、警戒はするべしと、リアルなエピソードに思えた。