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サンプル : 同じ本文でタテヨコ両方のファイルを出力する

やりたいこと​

  • 縦書き/横書き 両方の PDF を出力したい
  • しかし、本文を二重管理したくないので、外部ファイルが include できれば良いのだが

前提知識と方針​

  • 外部ファイルの差し込みは \input{..} で可能
    • 例: doc-body.tex を差し込むなら \input{doc-body}
  • 縦書きにするには jlreq クラスのオプション tate を指定する
    • 例: \documentclass[a4paper,11pt,tate]{jlreq}
  • ついでに、共通のマクロも \input{..} で読み込むこととする

最終的な構成​

だいぶスッキリする。本文を分離したので、書くことに集中しやすい作りとなった。

#ファイル名内容
1doc-yoko.tex向きを設定したあとは #3, #4 を読み込むだけ。最初に作ったら、基本は触らない
2doc-tate.tex向きを設定したあとは #3, #4 を読み込むだけ。最初に作ったら、基本は触らない
3doc-common.tex必要に応じ (共通のマクロなどがあれば) 作成。マクロを追加/変更しない限り触らない
4doc-body.tex本文。以降はここだけ編集すれば良い

Step1. 役割毎に分割した構成で、ファイルを用意（まずヨコ書きから）​

1-1. ヨコ書き用ファイル​

doc-yoko.tex
\documentclass[a4paper,11pt]{jlreq} % 和文(jlreq) で 横書き(デフォルト)

\input{doc-common} % 共通のマクロ

\begin{document}

\input{doc-body} % 本文

\end{document}

1-2. 共通のマクロ​

  • 画像の埋め込みがタテヨコで違ってしまうので、マクロにして差分を吸収することにした
  • つまり、後述のタテ用 tex ファイルでこのマクロを上書きする
doc-common.tex
% 画像の埋め込み用
\usepackage{graphicx}
\newcommand{\Image}[2]{%
  \begin{figure}[htbp]
    \centering
    \includegraphics[width=0.8\linewidth]{#1}%
    \caption{#2}%
  \end{figure}%
}

1-3. 本文​

doc-body.tex
\section{何々についての資料}

\subsection{特徴}

\begin{itemize}
  \item 特徴1
  \item 特徴2
  \item 特徴3
\end{itemize}

\Image{test1.png}{イメージ図}

何々についての説明

1-4. PDF 生成（ヨコ書き）​

bash
lualatex -output-directory=output doc-yoko.tex

→ doc-yoko.pdf が作成されればOK

Step2. タテ書き対応​

2-1. タテ書き用ファイル​

ヨコ書き用との差は次の 2 点だけ：

  • 先頭の documentclass でオプション tate を指定
  • 画像は回転されてしまうので、画像埋め込み用のマクロを上書き
doc-tate.tex
\documentclass[a4paper,11pt,tate]{jlreq} % 縦書きオプション付き

\input{doc-common}

% スクショ用マクロ上書き (縦書き対応で90度回転させる)
\renewcommand{\Image}[2]{%
  \begin{figure}[htbp]
    \centering
    \rotatebox{90}{%
      \includegraphics[width=0.8\textheight]{#1}%
    }%
    \caption{#2}%
  \end{figure}%
}

\begin{document}

\input{doc-body}

\end{document}

2-2. PDF 生成（タテ書き）​

bash
lualatex -output-directory=output doc-tate.tex

→ doc-tate.pdf が作成されればOK