HHKB キーボード 関連メモ
「弘法、筆を選ばず」というけれど、弘法でない私は道具選びにお金も労力もかけるのです。
― ある沼の住人
1. 想定ユーザ別おすすめメモ
1-1. HHKB よく知らない人にオススメする場合のひとこと
Mac で、標準キーボードも十分使いやすいけど、文字入力が多いなら、HHKB も候補に入れてみると、新しい扉が開けるかもしれないよ。
もし、HHKB よく知らない人に紹介することがあったら、このようなトーンでお伝えすることにしよう。触らないと分からないから。
続く文は、マニアックな自分メモ で、参考になるとしたら、HHKB の魅力は知ったうえで悩む人向けなので、HHKB をよく知らない人に聞かれて、このようにずらずら語るのはやめよう。
1-2. 「Realforce 持ってるし HHKB も、となるとやり過ぎかな...」と悩む人を後押しする場合のひとこと
Mac/iOS は HHKB、Windows は Realforce で 使い分けたら良いじゃない
― どこぞの王妃風
...
2. HHKB 選ぶ理由/選ばない理由メモ
2-1. 選ぶ理由1: 最近のモデル(Hybrid, Studio) で特筆したい機能
🙆♂️ キーマップの本体への書き込みができる
- PC でキーマップ設定してキーボード側の ROM に保存してしまえば、他端末に接続時はアプリ不要で同じ設定で操作できる
- これは最近のバージョンで対応されるようになった、最も嬉しい機能
- ちなみに、Realforce にも同様の機能あり
なにが嬉しいかというと...
- 職場など制限のある環境で:
- リモートワークなど、会社貸与PCでキーボード接続までは OK としている職場は増えていると思う
- 条件1: ソフトインストール禁止(当然キーマップ入れ替えも不可) (Altなどの位置はもとより)
- 条件2: Admin 権限なし (CapsLock入れ替えすらできない)
- 条件3: ただし、外付けキーボード/マウスは記憶装置を伴わないので許容 (これはせめてもの救い)
- こういったケースなら、キーボードを接続するだけで、自分に最適な環境を実現できて幸せ
- リモートワークなど、会社貸与PCでキーボード接続までは OK としている職場は増えていると思う
- 自宅など比較的、自由な環境で:
- 自由に設定できるからといって、Karabiner-Elements のようなシステムに影響を与えるアプリは極力避けたい
- そうしたツールを使わずに済むようになり、心理的負担が減って幸せ
🙆♂️ Bluetooth 接続先端末が複数 (最大4つ) 切り替えられる
- 例えば Mac/iPhone/iPad と使い分けられて幸せ
- これでもまだ1スロット余裕がある
2-2. 選ぶ理由2: 歴代シリーズ共通
💁♂️ HHKBシリーズ共通の良い点
感覚的な話ばかりだが、自分には重要なことで
- 無駄な動きがなく打てる気がする
- 打っていて気持ちが良い
- バージョンを重ねて余分に感じる部分がなくなっていき、見た目+触感ともに洗練されている (特に Hybrid)
- iPhone/iPad で 無変換/変換 での IME On/Off 動作が安定している気がする
- 接続が安定している気がする
- サイズがコンパクトで、片手で移動しやすい (Studio以外)
2-3. 選ばない理由
🤔 Windows とは相性が悪い気がする
- F1~F10 キーが専用のキーでない (Windows で F2 を多用する場合にストレス)
- PageUp/PageDown/Home/End が無い (自分は Excel で多用するのでストレス)
- Ctrl/Alt/Win キーの位置が一般的キーボードと異なる (職場⇔自宅で使い勝手が違ってストレス)
- もちろん、自分が適応できないだけで、適応できる人には Windows でも良い選択のはず
2-4. 選ばない理由にはならないが、ストレスなこと
🤔 これが出来るともっと良いんだけど..と思うこと、または、最初少し戸惑ったこと
- Cmd + F1 (輝度Downのキー) での 拡張ディスプレイ/ミラー の切替が出来ない
- HHKB Studio では設定自体は可だが、F1 が Fn+1 な関係で、期待する操作感にはできない
- これが解決できれば HHKB に完全に切り替えられるが、、
- これだけのために、Magic Keyboard を都度使用している状況(代替ソフトも探したが見つからず)
- 矢印「↑」キーの横にもキーがある (慣れないと誤打する)
- コンパクトを実現しているので、問題ない
- (確かLiteのときのように)高さを縮められるよりず っと良い
- Mac 再起動直後(=パスワード入力時)は英字キーボード配列になっているようだ
- 事象として認識しておけば実害はない
- メーカーに問い合わせたところ再現しないとのことで、原因は不明のまま
3. シリーズ毎の違いを比較
| 機能 | HHKB Studio | HHKB Hybrid Type-S | HHKB Hybrid | メモ |
|---|---|---|---|---|
| キーボード本体へのキーマップの書き込み | o | o | o | これによって、あらかじめキーマップ変更をしてしまえば、 別の端末に接続時はソフトのインストールが不要となる。 とても良い |
| 静音 | o+ | o | o | いずれも静かではあるが、平たい系キーボードと比べるとやっぱり響く。 外で使う場合はテーブルではなく膝か鞄の上にしてみている。 打鍵感は好みが分かれるところのようだ。 Studio は、ゴスッと吸音す る感じで、こちらが好み。 Hybrid はスコスコ/カツン感。 |
| トラックポイント | o | x | x | 膝の上で操作が完結できるのが良い。 HMD での使用と相性が良い |
| ジェスチャーパッド(側面のタッチ感知) | o | x | x | 正直、要らないから軽さとコンパクトを優先してほしかった つけるなら微調整のできるような精度のものになってからだと思う 無意識に側面に手を当てる癖があると、下手すると害にしかならないかも |
| 持ちやすさ(個人的) | x | o | o | Studio は、少し重いのと、側面が斜めで掴みづらい。 自分のように、位置をちょこちょこ変える落ち着きない人間でないと、 気にはならないかもしれないが.. |
| Brightness Down の割り当て | o | x | x | Mac のマルチディスプレイ/ミラー切替に割り当てられる |
| F1~F10 が独立して存在 | x | x | x | 無いことがメリットでもありデメリットでもあり |
| 矢印キーが独立して存在 | o | o | o | 以前のバージョンは Fn + ; 等だった。 賛否あるようだが、独立するようになったのは良い方向の変化のように思う |
- 🛠️ HHKB Studio (日本語配列/墨)
-
🛠️ HHKB Professional HYBRID Type-S (日本語配列/墨)
- → これは Amazon リンクですが、リンク先で色とか選んで目移りしているうちに Type-S でないほうを選んでたり、英語配列になってたりするのはありがちなことなので、確定前には必ず確認すると良いです
「静音性」について、自戒を込めた注意点
HHKB や Realforce が「コンパクトだし静かだから、カフェなどでバリバリ使っても迷惑にならない」などと思っているとしたら、少し冷静になったほうが良いかもしれません。
「静音」なのは、デスクトップ用キーボードのプラスチック接点の擦れ音やクリック音と比較しての話であって、打鍵音や机を通した振動は、ノートPCや Magic Keyboard のような平たいキーボードとは比べものにならないはず。
喫煙者の「加熱式タバコ(IQOS)は全然匂わないからいいよね」という発言に対し、吸わない人には しっかり匂う。これと同じように見えているかもしれません。
4. 操作 覚え書き
接続先 端末 切り替え
- Fn + Ctrl + 1
- Fn + Ctrl + 2
- Fn + Ctrl + 3
- Fn + Ctrl + 4
→ 覚えられなくなるので [テプラ] の [透明ラベル] に白文字で貼る運用にしている
Bluetooth ペアリン グ
- Fn + q , Fn + Ctrl + 1/2/3/4 : Bluetooth ペアリング
プロファイル(キーマップ変更の使い分け) 切り替え
- Fn + C , 1
- Fn + C , 2
⇒ もし Win/Mac 両方で使うことがあれば使うかも
音量
- Fn + a : Volume Down
- Fn + s : Volume Up
- Fn + d : Mute
ディスプレイ切り替え (カスタマイズ, Studio のみ)
- Fn3 + Cmd + 1 : Mac画面切替
このように設定してみたが、覚えられず、定着していない。
Magic Keyboard に似せた操作としたいなら、1 キーを 輝度Down に割り当てる必要があるが、それは影響ありすぎるので。
5. 設定
HHKB DIPスイッチ
- DIPスイッチ - HHKB Studio
- 4 : Scroll 方向反転
- 6 : 省電力Off
- DIPスイッチ - HHKB Hybrid
- 1 : Mac 用
- 6 : 省電力Off
6. キーマップ変更
キーマップ変更前後のキーの状態 (Macでの使用時、最下段のキー)
| 前/後 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 変更前 | Fn | CapsLock | Cmd | Opt | 英数 | 空白 | かな | Cmd | Opt | Fn |
| 変更後 | Fn | Opt * | Cmd | Cmd* | 英数 | 空白 | かな | かな* | Cmd* | Fn |
| 参考(Magic Keyboard) | - | CapsLock | Opt | Cmd | 英数 | 空白 | かな | - | Cmd | Fn |
要点 :
- *: 変更箇所
- 1: Fn は HHKB においては多用するため、変な癖をつけないよう変更しない。他のキーとも離れた位置にあるため操作感への影響は小
- 2: CapsLock 使わないため 1個左にずらす意図
- 3,4: 左Cmd は、2個あるのは不自然だが、自分を観察すると「X, Z の間あたり」「英数」の左、と探しているため、ミスタイプのストレス軽減のため
- 7,8,9: かな この箇所、Magic Keyboard より1キー多いため、多い分を「かな」に割り当てた。(特に、Windows の別キーボードと行き来していると 8 をミスタイプしがちになる。これを避けるという目的もある)
- 3,8: HHKB設定画面上で ♢ と記載されているのは、Mac でいう Cmd(⌘) のこと
CapsLock/Control/Cmd キーマップ入替 箇所
- CapsLock -> Opt
- Opt -> Cmd (つまり Cmd が 2 つになる)
- Cmd -> (変更なし)
この入替は HHKB BT では出来なかったが Hybrid, Studio ともに可となった。
- 右 Fn -> Fn3
- Fn3 + 1 -> Brightness Down
これは Studio のみ可。設定してみたものの定着していない。Hybrid だとできない。
物理的に入れ替えたキー
Opt <-> Win キー交換
→ [キートップ入替用の器具] あると便利
7. 余談1: HHKB トラックポイントは ThinkPad 赤鼻互換
HHKB Studio にはトラックポイントがつくようになった。
ThinkPad への遠慮なのか、意匠的な問題なのか、HHKB と分からなくなってしまうからかは知らないが、トラックポイントが黒い。(これは商品画像的にも、ひと目で分からないことにつながって、もったいないことだけど)
トラックポイントの原体験が ThinkPad s30 な自分にとっては、やっぱり、トラックポイントは赤鼻でないと。ということで、ThinkPad のトラックポイント・キャップを購入して差し替えた。
-
🛠️ ThinkPad のトラックポイント・キャップ 0A33908
- 自分が試したのはこれ。 サイズちょうど合う
これも、ThinkPad への敬意の現れ... かは分からないが、サイズがぴったり合う。
HHKB Studio の黒に取り付けると、これはもう、まるで、立体的になった ThinkPad キーボード。マットな黒地に映える赤鼻。とてもカッコいい。(※個人の感想です)
見た目はもちろん、使用感も良かった。グリップ感と、引っ張るとカーソルがついてくる感じが やはり ThinkPad 版キャップならでは。 そのまま気に入って使っている。
8. 余談2: キーボード掃除
自分は [キーボード掃除用のブラシ] には、これを使っている
ブラシの毛の硬さなどが、塵を掃き出すのにちょうどよい。置いておくにも邪魔にならない。かわいい
むかし Loft か どこかで買って、その後 汚れてきたので同じものが使いたいとずっと探していたのだが、
実はこれは弁当箱を洗うためのキッチン用品だった。どうりでパソコン周辺機器カテゴリでは見つからないわけだ。